お散歩はバトルだ その3

寒い地方の支部との電話会議で、相手は雪のせいでビルが閉鎖されるから会議の後はうちへ帰ると言っていた。たいへんですね。うちは20℃で快晴ですよ。


今日はホシがすんなりクルマに乗ったので、のんびりお散歩訓練公園へ行った。

しかし、あんまりのんびりでなかった。


いつもの空き地を過ぎたところに何かのリハビリセンターらしい施設がある。プログラムの一環か、ミツバチの巣箱が置いてあったこともあるし、この前見たノラにわとりは多分ここから脱走して来たと思われる。

ども。ノラにわとりのボボです。

リスやネズミや、ニワトリまでいるのでホシはここへ行きたがるが、私有地なのでもちろん入れない。いつもは何度か行き来すると諦めるのに、なぜか今日はハートにずしんと響くものがあったらしい。

周りをうろうろ行ったり来たり。帰ろうと言っても頑として聞かない。

絶対帰らないからね

なだめてもすかしても動かないので、仕方ないからあと一度だけ、と戻る。それでも満足しないのでまた戻る。入りたくて仕方がない。

あっちへ行きたいの

そしてどうしても入れないとなると、私を見る。期待を込めて懇願する。

おかーさんなんとかして

無理だって。

帰ろう帰らないを繰り返し、引きずるように離れると、とうとう諦めの舞が出た。

悲しいよ、つらいよ

しかも今回の舞は四幕もあった。歩いては舞い、少し行ってはまたごろん。いったい何が彼女を駆り立てたのだろう。

結局一時間ちょっと、喧々諤々。うちのお散歩がすんなり済むことはめったにない。個性的な娘をもって幸せだなあ。





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