何も起きない日曜日

ホシとるなの間には、ヒトには分からない取り決めがある。おもちゃやおやつ、それぞれ同じものをあげてもどちらか一つを取りあって喧嘩をしているかと思えば、一つしかないものを仲良く分け合っているときもある。

今日は分け合う日。

ずいぶん以前にあげた牛の蹄のおやつの残りを誰かが見つけた。まずホシが楽しんでいるのを、るなが観察している。

今はホシの番。

とんでもなく近いことを除けば、るなは無理やり取ろうとするでなく、ホシは取られまいと威嚇するでなく、平和的だ。ちょっとうらやましいけど順番ね、でも早くしてね、みたいな感じ。

しばらくするとるなの番になったらしい。

つぎは、るなね

なぜ取り合いにならないんだろう。これが空のペットボトルだったりしたら、引っ張り合いの奪い合いで家じゅう走り回るのに。大体この蹄が新しかったころ、二つあったうちの一つをめぐって争っていたじゃないか。

もう珍しくないからどちらも焦らないのか、気の入らない退屈しのぎなのか、または他に理由があるのかは分からない。でも、とても静かにスムーズにやりとりは進む。ふたりの仲がいいと、見ていてほのぼのするなあ。いつもこうだったらいいのに。

るな、もういいや

あ、また順番変わってる。面白い。

イヌはおやつを分け合い、旦那は車の掃除をし、私はリビングルームのカーテンをつける。何も特別なことの起きない、でも最高の日曜日。

どっちも飽きた

週末おしまい。また一週間がんばろう。

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